2011年9月23日金曜日

ESP(本)応援祭スタート!

「ESP(本)応援祭」の模様。講師の泉秀樹氏(左)と本会を企画した渡邊未帆氏(右)

 春まだ浅い本年の2月27日(日)、吉祥寺サウンド・カフェ・ズミで、ESPレーベルの研究会がスタートした。周知のごとく、ESPレーベルとは、60年代中期にバーナード・ストールマンによって創設され、独自の選球眼で音楽史に残る数々の名盤をリリースしたレコード会社のことである。記念すべき研究会の第一回は、ズミの店主である泉秀樹氏が講師を務め、ベン・ヤングがプロデュースしたボックス・セット等の史料を駆使して、ESPを代表するミュージシャンのひとりアルバート・アイラーの足跡を詳細な録音史からたどる会となった。史料でたどる足跡はもちろんのこと、ニュー・ジャズ/フリー・ジャズが日本にはいってきた時期を、輸入レコード店やジャズ喫茶などの現場で同時代的に経験してきた泉氏の耳の個人史を参照することで、受容史の一端が紹介され、ネット社会の現代では忘れられがちな録音史と受容史のギャップを確認する作業もおこなわれた。ESP研究のみならず、ニュー・ジャズ/フリー・ジャズの詳細な資料/史料をそろえたズミならではの講義は、この音楽の基礎研究に相当するものだろう。なお本研究会は、「ESP(本)応援祭」とタイトルされ、近く出版が予定されているESPの本の刊行を後押しするものである。





[初出:mixi 2011-02-28「ESP(本)応援祭スタート!」]

-------------------------------------------------------------------------------

■ sound café dzumi http://www.dzumi.jp/